日本物理学会2019年第74回年次大会 領域5インフォーマルミーティング議事録

2019年3月15日(金)  12:30〜13:15 九州大学K208会場
司会進行:南 康夫 (徳島大)

 

<1.領域代表・副代表・運営委員>

現在の体勢について、次の通り報告があった。

領域代表

2018年04月〜2019年03月     石原 一(阪大)
2019年04月〜2020年03月     岩井 伸一郎(東北大)


領域副代表

2018年04月〜2019年03月     岩井 伸一郎(東北大)
2019年04月〜2020年03月     木村 昭夫 (広島大)


領域運営委員

2018年04月〜2019年03月     南 康夫(徳島大)、有川 敬(京大)、深谷 亮(KEK物構研)
2018年10月〜2019年09月     小林 正起(東大)、松永 隆佑(東大)
2019年04月〜2019年03月     小西 邦昭(東大)、和達 大樹(東大)、渡邊 浩 (阪大)

 

〇次期運営委員の推薦および承認 (任期:2019年 10月〜2020年09月)

次の先生方が推薦され、承認された。

領域運営委員

大間知 潤子(関西学院大)、川上 洋平(東北大)、藤原 秀紀(阪大)

 

<2.プログラム編成>

次の通りに説明と報告があった。

・プログラム編成に関してキーワードは必ず2つ書くことについての徹底をお願いしたい。今回のキーワード無記入は1件(前回は2件)で、1つだけの申込みが25件(178件中)あった。
・座長依頼に対しては迅速に返信して頂きたい。
・講演題目に「」、“”等は不要。入力後に必ず確認をして頂きたい。
・登壇日時の希望は原則受け付けないので御理解頂きたい。

 

<3.申込件数の推移>

2005年年次大会からの申し込み件数(全講演、ポスター講演)について報告があった。

・2019年年次大会では、ポスター講演61件/全講演申し込み数181件 (33.7%)
・講演数は前回より減少した。ポスター講演の比率が減少したものの、「望ましい範囲」とされる30〜35%内に収まった。
・前回の年会での講演者数を受けて、若手奨励賞の領域5受賞者上限数が3名から2名へと減少した。講演者数の増加が望まれる。

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(参考) 若手奨励賞受賞者数の上限を上げるための講演件数について

若手奨励賞受賞者数上限算定表の受賞者上限算出方法は、「(占有率(%))×0.31+1」と四捨五入となっている。この占有率には直近過去3回の年次大会のデータを使用して算出されるため、若手奨励賞受賞者数上限を3名に戻すためには、3年間継続して講演件数(一般公演のほかにシンポジウムおよび招待/企画講演の件数も含む)を高く維持(占有率: 4.84 %以上)する必要がある。
尚、本年次大会においては、領域5における講演件数が6件増となれば占有率: 4.85 %となり、若手奨励賞受賞者数の上限が3名となる水準に達する。

<領域5講演占有率>
第71回年次大会        223件(領域5) / 4639件(全領域)  占有率: 4.81 %
第72回年次大会        207件(領域5) / 4709件(全領域)  占有率: 4.40 %
第73回年次大会        198件(領域5) / 4745件(全領域)  占有率: 4.17 %
第74回年次大会        181件(領域5) / 3853件(全領域)  占有率: 4.69 %
(*第71-73回年次大会のデータは、物理学会事務局により算出)
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<領域5申込件数>
2009年年次大会        ポスター講演80件/全講演申し込み数213件(37.6%)
2009年秋季大会        ポスター講演103件/全講演申し込み数268件(38.4%)
2010年年次大会        ポスター講演102件/全講演申し込み数273件(37.4%)
2010年秋季大会        ポスター講演81件/全講演申し込み数258件(31.4%)
2011年年次大会*(震災) ポスター講演78件/全講演申し込み数256件(30.5%)
2011年秋季大会        ポスター講演103件/全講演申し込み数298件(34.5%)
2012年年次大会        ポスター講演95件/全講演申し込み数241件(39.4%)
2012年秋季大会        ポスター講演82件/全講演申し込み数226件(36.3%)
2013年年次大会        ポスター講演97件/全講演申し込み数254件(38.2%)
2013年秋季大会        ポスター講演89件/全講演申し込み数229件(38.9%)
2014年年次大会        ポスター講演72件/全講演申し込み数214件(33.6%)
2014年秋季大会        ポスター講演77件/全講演申し込み数204件(37.7%)
2015年年次大会        ポスター講演69件/全講演申し込み数213件(32.4%)
2015年秋季大会        ポスター講演85件/全講演申し込み数208件(40.9%)
2016年年次大会        ポスター講演64件/全講演申し込み数204件(31.4%)
2016年秋季大会        ポスター講演67件/全講演申し込み数187件(35.8%)
2017年年次大会        ポスター講演64件/全講演申し込み数202件(31.7%)
2017年秋季大会        ポスター講演81件/全講演申し込み数209件(38.8%)
2018年年次大会        ポスター講演54件/全講演申し込み数200件(27.0%)
2018年秋季大会        ポスター講演76件/全講演申し込み数199件(38.2%)
2019年年次大会        ポスター講演61件/全講演申し込み数181件(33.7%)

 

<4.招待講演・シンポジウム・企画講演>

本年次大会における若手奨励賞、招待講演、シンポジウム、および次回秋季大会でのシンポジウムの提案について、次の通り報告および議論があった。

領域5 日本物理学会若手奨励賞受賞記念講演
・「レーザーとラッピング下における光と物質及び集合体の共鳴的相互作用」
  工藤哲弘 (台湾・国立交通大)
・「固体における高次高調波発生機構の解明」
  玉谷知裕 (東京大)
  3/15 10:30〜11:40 @K306会場


招待講演1件:
・(領域4, 領域5)「Optical Aharanov-Bohm oscillators in a single quantum ring: Disorder effects and biexiton Wigner molecule」
  Kyhm Kwangseuk (Pusan National University)
  3/15 9:00〜9:30 @E210会場


合同一般シンポジウム2件
・(領域4,領域1 ,領域5 ,領域11)「非エルミート量子力学の新展開」
  3/14 13:30〜17:15 @K308会場
・(ビーム物理領域,領域4,領域5 ,領域8) 「大強度テラヘルツ波の発生と応用」
  3/16 13:30〜17:00 @F303会場


領域5主催のシンポジウム0件:
積極的な提案が期待される。
・本年次大会での領域5事前申込締切時点で提案が0件であったため募集期間を延長したが、最終的に提案されることはなかった。
・本年次大会における領域5主催の招待講演の提案が1件あったが、提案者が申し込みを失念したため、開催することができなかった。次回秋季大会では、物性領域Web登録締切4/26までに提案の申し込みが完了しているか、提案者に確認する。


○次回招待講演・シンポジウム・企画講演の提案について

領域5事前締切:4月16日(火)
(物性領域Web登録締切:4月26日(金))
領域5メーリングリストion-hikariで事前に提案して議論し、その後講演予定者も含む計画案を領域5事前締切までに領域代表に提出する。

・次回秋季大会において、シンポジウム2件の提案があった。シンポジウム・招待講演・企画講演に関する規程(領域5ウェブページに掲載)に従って、領域5事前締切日4/16までに領域5メーリングリストで事前に提案し、議論すること。


○共催シンポジウムの実施について

前回年次大会より、日本物理学会と各種研究共同体(コンソーシアム)との共同で共催シンポジウムを開催することが可能となった。

・複数コンソーシアムでの開催も可能。
・日本物理学会はコンソーシアムから必要経費としての共催費を申し受ける。
・基本的な提案・実施プロセスは通常のシンポジウムと同様。
・登壇者については通常のシンポジウムの制約を原則として課さない。但し、他シンポジウムとの重複登壇は特別な場合を除き許可しない。
・開催できる共催シンポジウム数は原則1大会あたり5件まで。

 

<5.領域ホームページ・メーリングリスト>

次の通りに案内があった。

・領域5 webページ(http://www.r5.div.jps.or.jp/index.html)では、学会・領域運営委員からの案内を随時掲載している。研究会・国際会議の案内のページもあるので、掲載希望の場合は領域運営委員(committee_r5@div.jps.or.jp)までご連絡頂きたい。
・メーリングリストion-hikariでは、登録しているアドレス以外のメール投稿はできない。異動等によりアドレスの変わった方は、旧アドレスの削除および新アドレスの登録をお願いしたい。


○メーリングリスト(ML)の更新について

・現在のMLのアドレスは、 ion-hikari@r5.div.jps.or.jp
・旧ML(ion-hikari@laser.mp.es.osaka-u.ac.jp)の登録メンバーはそのまま新MLへ登録済み。
・旧ML(ion-hikari@laser.mp.es.osaka-u.ac.jp)はすでに運用を停止しており、現在使用不可。登録・退会方法、その他詳細については領域5webページを参照されたい。

 

<6.審議事項>

○日本物理学会学生優秀発表賞の仮賞状発行について

特に、仮賞状作成費用の負担と発行方法について、以下の点が議論された。

・学会本部がプリンターを用意しているため、それを利用して学会期間中に仮賞状を印刷する。
・用紙を持ち込むことで、A3では薄手の用紙のみ、A4では厚手の用紙も印刷可能であるが、いずれにしても物理学会本部から提供された賞状のフォーマットを使用する。
・薄手の用紙は大会本部から支給可能であるが、厚手の用紙を利用する場合は領域で準備する必要がある。

これらの議論を経て、次回秋季大会では学会本部が用意したプリンターを利用して仮賞状を印刷する方針で承認された。
尚、本審議事項に関する意見や準備の詳細などは、引き続き次回秋季大会までに領域5メーリングリストで議論する。


○若手奨励賞候補者の代表論文が重複する場合の選考について

若手奨励賞候補者の代表論文が共著論文の場合、選考においては候補者の筆頭著者論文である必要はないため、他の候補者の代表論文との重複が生じえる。この事案について、以下のような議論が行われ、継続して審議されることとなった。

・若手奨励賞の選考対象論文が筆頭著者かどうか、責任著者かどうかなどを考慮しつつ、対象論文における候補者の寄与が明確になっており、選考過程において慎重な審議を経ていれば、代表論文が重複しても構わないのではないか。
・選考対象論文において例えば実験と理論で寄与が分担されている場合なども、実験担当者(責任者)と理論担当者(責任者)とで代表論文が重複しても構わないのではないか。(複数の著者が「同等に寄与した(equally contribution)」と明記している場合もある。)
・代表論文の重複可とした場合、重複回数に制限を設けるのか。
・物理学会HPに代表論文が記載されるため、論文が重複していることを閲覧者などから指摘される可能性もあり、選考における取り決めを明確にしておく必要があるのではないか。
・領域5MLでご意見を公募したらどうか。

 

<7.報告事項>

以下の項目について報告があった。

○第1回 日本物理学会学生優秀発表賞 (2018年秋季大会 9/11ポスター発表)

11aPS-17 中原 聡志 (京大化研)
「ハロゲン化鉛ペロブスカイトナノ粒子のトリオン生成メカニズム」
11aPS-50 藤原 弘和 (岡山大院自然)
「高分解能スピン分解ARPESによるCoS2の電子構造の解明」
11aPS-64 佐成 晏之 (京大化研)
「高強度THz電場による相変化材料におけるゼナートンネリング誘起結晶成長の解明」


○若手奨励賞について

工藤 哲弘 (台湾・国立交通大学 理学院 応用化学系)
対象論文/対象研究
"A Single Large Assembly with Dynamically Fluctuating Swarms of Gold Nanoparticles Formed by Trapping Laser", Nano Letters 18, 5846 (2018).
"Optical Trapping-Formed Colloidal Assembly with Horns Extended to the Outside of a Focus through Light Propagation", Nano Letters 16, 3058 (2016).
"Proposed Nonlinear Resonance Laser Technique for Manipulating Nanoparticles", Physical Review Letters 109, 087402 (2012).

玉谷 知裕 (東京大学 物性研究所) 対象論文/対象研究
"Diabatic Mechanisms of Higher-order Harmonic Generation in Solid-state Materials under High-intensity Electric Fields", Physical Review Letters 116, 016601 (2016).
"Higher-order harmonic generation caused by elliptically polarized electric fields in solid-state materials“, Physical Review B 94, 241107(R) (2016).
"High-harmonic generation in graphene enhanced by elliptically polarized light excitation", Science 356, 736 (2017).


○運営委員の人数について

秋季大会では領域をまたいだ複数登壇者の講演時間の調整や学生優秀発表賞応募者増加に伴う作業の増加があるため、2019年10月からの任期の委員の人数を2名から3名に増員した。


○概要集の提出率について

領域5の概要集提出率(論文提出率)は97.7%と高い水準をとなっている。


○日本物理学会学生優秀発表賞について

・申込方法の改善について 申込画面に改良を加えた。
・表彰件数の決め方について 「学士優秀発表賞応募者の20%程度」とした。
・複数受賞について 複数受賞は妨げない。

 

<8.国際会議・研究会の案内>

第9回電磁メタマテリアル講演会
  開催日:2019年3月21日(木)〜22日(金)
  開催地:東京工業大学 すずかけ台キャンパス 大学会館
  参加申込締切:2019年3月14日(木) → 締切後も申し込み可能
  http://www.metamaterials187.org/sympo09.html

12th International Conference on Spectroscopies in Novel Superconductors (SNS 2019)
  開催日:2019年6月16日(日)〜21日(金)
  開催地:東京大学 伊藤国際学術センター
  アブスト投稿締切: 2019年4月12日(金)
  参加登録締切: 2019年5月31日(金)   http://sns2019.t.u-tokyo.ac.jp/

The International Symposium on Plasmonics and Nano-photonics (iSPN2019)
  開催日:2019年11月11日(月)〜14日(木)
  開催地:神戸生田神宮会館
  アブスト投稿締切: 2019年8月1日(木)
  参加登録締切: 2019年9月10日(火)   https://ispn2019.org/